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「Make Me Rainbows」 Frank Strazzeri TRIO

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「Make Me Rainbows」 Frank Strazzeri TRIO(1987)
Frank Strazzeri(p)Horacio Fumero(b) Peer Wyborisi(ds)

Side One
 1 Make Me Rainbows
 2 Budo
 3 I Can Dream,Can`t I
 4 From The Hip
Side Two
 1 Out Of This World
 2 How Deep Is The Ocean
 3 Eronel

昨年新潟のJAZZ TRANEでピアノトリオということで購入した一枚。リーダーの Frank Strazzeri(p)も他の二人のサイドメンも寡聞にして初耳。さほど期待はしていませんでしたが、これが目下の愛聴盤。 翳のある雰囲気が何ともいいです。肩の力の抜けた演奏ですが、それでいて一本芯の通ったハードさもある表情豊かな演奏でもあります。
お分かりと思いますが、これは中古アナログレコード、残念ながらCD化はされていないようです。


「Word of Mouth」ジャコパストリアス

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 1 Crisis
 2 Three Views of a Secret
 3 Liberty City
 4 Chromatic Fantasy
 5 Blackbird
 6 Word of Mouth
 7 John and Mary

 有名盤らしいですが、ハーモニカのトゥーツ・シールマンスのクレジットに魅かれて購入。昨年購入したビル・エバンスのAffinity(1978)でのハーモニカの演奏がエバンスを圧倒する素晴らしさだったので、気に留めていた名前でした。

 ジャズとフュ―ジョンの間にあるようなアルバムです。4曲目のバッハと5曲目のビートルズをのぞき、他はジャコ・パストリアスの曲。のびやかな曲が多いせいで、晴れ晴れとした印象です。目的のトゥーツ・シールマンスの演奏はビックバンド編成ですから、少人数のAffinityに比べると、やや物足りない気もしますが、それでも十分堪能できました。

 2曲目のジャコパストリアスのThree Views of a Secretは、ジョージ・ケイブルスも演奏していた曲。 ここではシンセサイザーというのでしょうか、電気的に処理された音の大海原を、トゥーツ・シールマンスのハーモニカがまるで純白の航跡を残して一艘悠々過ぎ去って行く感があります。
 ライナーノーツによれば、ジャコ・パストリアスが参加しているウエザーリポートの「Night Passage」(1980年)でも演奏されているとのこと。「Night Passage」運良く手元にありました。開封してあるので一度聴いたようですが、全く記憶にありません。

 聴き比べていると、このThree Views of a Secretはテレビかどこかで耳にしたような気がしてきました。加えて、ジョージ・ケイブルスのストレートな演奏が前より深みを増して聞こえてくる気がします。

 曲を知ることによって、曲に対する共感が増したとでもいうのでしょうか。こういうことがあるから、ジャズを聴くことがますます好きになってゆくのですね。

 
 


「スローナイト」リチャードホワイトマントリオ

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 1 SLOW NIGHT
 2 MAMBO INN
 3 THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES
 4 DRIFTING ON A REED
 5 STARS FELL ON ALABAMA
 6 LOVE FOR SALE
 7 MOON RIVER
 8 NIGHT MIST BLUES
 9 LUSH JAYS
10 KABUKI QUEEN
11 IN THE BLUE OF EVENING

 これも新潟市のジャズレコード店「トレイン」の店主お勧めの一枚。2008年録音で昨年のもの。
 こちらは小粋な印象。スタンダード中心で、聞きやすさもある。8曲目はイントロ部分が心惹かれる。アーマッド・ジャマルの曲だというので納得。
 とくに耳に残るのが、10曲目「KABUKI QUEEN」。よくよくクレジットを見れば、これ椎名林檎の曲なんですね。「歌舞伎町の女王」(1998年)で一昔前の曲ですし、相当売れたらしいですが、ちっとも知りませんでした。
 下世話に考えれば、日本の市場を狙った選曲といえますが、でもこれがなかなか。原曲にほぼ忠実です。元のほうも不思議な味わいがあっていいです。曲の一部がボサノバだったかタンゴなんだったかラテンミュージックを連想させる無国籍風なところも、ジャズに向いていたんではないかと思ったりしました。
 このアルバムは予想外のヒロイモノ。1200円の価格以上です。
 


「ナイトアンドデイ」ジョージケイブルストリオ

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1 I THOUGHT ABOUT YOU
2 NIGHT AND DAY
3 VERY EARLY
4 I LOVE YOU
5 THREE VIEWS OF A SECRET
6 EBONY MOONBEAMS
7 GREAR IS HERE
8 DOXY
 
 新潟市のジャズレコード店「トレイン」の店主お勧めの一枚。1991年録音されたジョージケイブルスをリーダーとするピアノトリオ。ベースはセシルマクビー、ドラムはビリーハート。溌剌とピアノを弾きまくっている。むしろ、弾き過ぎているというか陰影がないというか、プラスアルファーといったものがない気がする。含みかというのかな、余韻というのかな、表裏のない一本調子な印象です。
 でも、明快で壮快なことは確か。どの楽曲も精緻に弾きこなしているテクニックはすごいと思う。ジャズにありがちな癖のある演奏じゃない。こういうものって聞き込むとすごい愛聴盤になったりするんですよね。


JAZZ TRANE

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 その店は新潟市古町の新津屋小路にある。見過ごしてしまいそうな看板。くるいが出てきた古びたドアを開けると、こじんまりした店内はジャズのレコード、CDが多すぎもせず、少なすぎもせず、程よい余裕で並んでいる。

 レコードはいわゆる名盤の類。中古レコードから、新品輸入レコードといろいろある。

 CDは新譜中心。新譜といっても普通の店頭に並ぶような類は置いていない。再発ものもあるが、大手レコード会社が取り扱うもの、ブルーノート、リバーサイド、プリステッジ、アトランティックといったものはほとんどない。

 新譜の中心はどこかのジャズマニア(といってもこれが知る人ぞ知る有名人なのですが)が熱意と無謀で設立したレーベルから発売されたものばかり。発売数も少ない。こうしたCDの中で特に店主推奨盤には手書きのコメントが添えられている。最近のジャズはどれがいいのかさっぱりわからないので、大いに参考になる。

 ここまでくれば、このお店がなかなかの穴場ということがわっていただけたでしょう。中古レコードはこの手のお店にすれば安い。掘り出し物も結構ある。じつは、本当の掘り出し物はここの店主なのだ。

 ジャズに対する思い入れが熱い。口を開くや、滔々と論じて、倦むことを知らない。しかも、押しつけがましいところがない。どこか飄々さらりとしている。こちらは聞き役一方なのがだが、わくわくしてくる。ジャズを豊かな表情で語る顔。心から楽しげな柔らかい語り口に耳を傾けていると、時間があっという間に過ぎる。店を後にしながら、次に来ることを考えてしまうのだ。


ウェスト・コーストの時代

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CHET BAKER SINGS

 モダンジャズの歴史の流れの中で、確かにウェスト・コースト・ジャズは本流ではないようだ。けれども、ともすれば辛辣な記述が目につくのはなぜだろう。批評のコツは、「誉めるよりも、いかに貶すかにある」らしいから、一世を風靡したウェスト・コースト・ジャズを「あのころはジャズに対する理解がてんでなっていなかった」って言えば安全パイってところなのかな。

 ウェスト・コーストにジャズが盛んになったのは、不景気だったアメリカのなかで羽振りの良いハリウッドにジャズマンたちが集まったからだ。ジャズマンがハリウッド映画のBGMの演奏をしたからといっても、ジャズに劇的な変化は起こらなかったろうけれど、やっぱり、ジャズの演奏のやり方・考え方に影響を与えたと思う。効果的な音楽とは何ぞやってね。それに西海岸の晴れやかな気候も影響しているって言われてるしね。

 1950年代のハリウッドは古き良き時代の終わりも終わりなのだけれど、それこそ最後の光芒を放っていた。表面上は大作が封切られ、栄華はいつ果てるとも知れなかったそうだが、終りは間近に迫っていたんだ。ハリウッドの赤狩りの嵐よりもある意味では深刻なのだが、テレビの普及が映画の都を脅かしていたそうだ。

 ウェスト・コースト・ジャズの代表者、チェット・ベイカーにしろスタン・ゲッツにしろ、一聴すると、洗練された知的で軽やかな印象を受ける。でも、晴れやかな表情はあくまでも仮面であって、隠された顔が存在するように思える。彼らの名演にはその顔がちらちらとのぞく。むしろ、ヒミツめいた隠微さが魅力になっているような気がする。ニュー・ヨークをはじめとするイースト・コーストでも影の部分は同じ様にあっただろうけれど、ハードボイルドの巨匠たちが、ウェスト・コーストを舞台にしているのも興味深いね。


タグ:ジャズ

「cool」ってカッコいい!?

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「BIRTH OF THE COOL」

MOVE
JERU
MOON DREAMS
VENUS OF MILO
BUDO
DECEPTION
GODCHILD
BOPLICITY
ROCKER
ISRAEL
ROOUGE
DARAN THAT DREAM
JOHN'S DELIGHT
WHAT'S NEW
HEAVEN'S DOORS ARE WIDE OPEN
FOCUS

 モダンジャズが黒人ジャズマンたちによってニューヨークハーレムで誕生すると、この影響を白人のビックバンドも受ける。歌わない、踊らないが新たなジャズの性格だったけれど、白人のビックバンドの多くは人気歌手を抱えていたし、踊るための演奏もしてたから、バップを取り入れるといっても、こうした制限の下でのこと。こちらは編曲を重視することになる。ジャズシンガーを盛り立ててゆくんだったら、当然のような気がする。しかも、バップに比べるとぐっと洗練されて、大成功。プログレッシブジャズと呼ばれることになる。代表するビックバンドにはスタン・ケントン楽団がある。

 編曲にはヨーロッパ音楽の知識が生かされるわけだから、ジャズのアフリカ的な要素とヨーロッパ的な要素は前にもまして融合することになる。この知的で都会的なジャズには「COOL」という言葉がぴったりとくる。その流行は衰えることなく、さらに推し進められ、クールジャズが生みだされる。担い手の多くがウエストコーストの白人ジャズマンだったので、ウエストコーストジャズへと集大成されたのだった。

 モダンジャズが能天気なままバップとして育っていくかと思いきや、ちょっと回り道をすることになるわけだけれど、そこは苦労のし甲斐があったというもの。ウエストコーストジャズはバップをより豊かに育て上げてくれたのだ。


タグ:ジャズ

「バド・パウエル‘57」

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Bud Powell'57
1 DEEP NIGHT
2 THAT OLD BLACK MAGIC
3 'ROUND ABOUT MIDNIGHT
4 THOU SWELL
5 LIKE SOMEONE IN LOVE
6 SOMEONE TO WATCH OVER ME
7 LOVER COME BACK TO ME
8 TENDERLY
9 HOW HIGH THE MOON

 『ディープナイト』は「クール・ストラティン」の悼尾を飾るわが愛聴曲だ。ソニー・クラークがそものもこの曲をレコーディングしようと考えたのは、バド・パウエルの演奏を聴いたからだという。

 現在バド・パウエルの『ディープナイト』は「バド・パウエル‘57」で聴くことができる。このレコードをソニー・クラークがじかに聴いたかは知らないが、いずれにせよ、彼が耳にした演奏とそれほど変わらないはずだ。
 
 「バド・パウエル‘57」は1957年再発時のタイトルで、もとは「ジャズ・オリジナル」という。1954年と1955年の演奏を含んでいる。『ディープナイト』は1954年の音源で、このころは絶頂期を過ぎ、指のもたつく演奏と酷評されるようになる。

 パウエルの『ディープナイト』はトリオ演奏だ。ソニー・クラークのカルテットの演奏もそう華々しいものではないのだけれど、トランペットとアルトサックスがある分メリハリのある演奏なんだということを納得する。

 いったい、このパウエルのピアノの狂った感じは何だろう。「指が動かないせい」と片付けて済ませるには、無性に気味の悪さが残る。彼のピアノは他の演奏者を巻き込み曲全体を呪縛する。聞けば聞くほど不思議さが募る。彼の探り出す音は隠れた存在の不可解な呻きのように・・・・。


タグ:ジャズ

「ブルーノート」ってなんだあ?

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Cool Stuttin'

COOL STUTTIN'
BLUE MINOR
SIPPIN AT BELLS
DEEP NIGHT


 「青い帳面」?音楽知識もない上に、ノートをノートブックにする程度の英語力だと、こんなとんちんかんなことになる。「レコード会社のことなんだろうなー」くらい知ってれば、それはそれでたいしたもの。東芝EMIが日本でのレコード発売をずっと引き受けてきたので、東芝のジャズ部門だとずっと思いこんでいた人間もなかにはいる(私のことですけど)。
 ノートはこの場合音符のこと。ブルーノートはブルースに特徴的な音階で、ヨーロッパの伝統的音階にたいして、その第三と第七の音符が、ちょっと低くずれているのを指す。
 ところで、ジャズレーベルの方のブルーノートだけれど、こちらはブルース好きが嵩じてレコード会社をつくってしまったというわけなのだ。それが、いつしか重点はジャズに移り、このレーベルがモダンジャズに貢献した役割はそれはそれはたいしたものとなる。
 設立者のアルフレッド・ライオンがブルーノートを会社名に選んだことは、ブルースの特徴がブルーノートにあると考えたからだろう。ブルース好きがジャズ好きへとかわってもそれは同じだったんじゃないかと思う。
 ブルーノートでは1500盤台という作品群がもっとも有名だ。これは名盤が多いせいだし、なんといっても、モダンジャズ最盛期の演奏の録音だからだ。
 ちょっとしたジャズ好きなら、自分にとってブルーノートの「この一枚」があるはずだ。ぼくの一枚、いや、むしろ一曲は「クール・ストラッティン」のなかの「ディープナイト」だ。


タグ:ジャズ

「即興演奏」がジャズを理解する鍵らしい!?

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Solo Monk

DINAH
I SURRENDER,DEAR
SWEET AND LOVELY
NORTH OF THE SUNSET
RUBY,MY DEAR
I'M CONFESSIN'
I HADN'T ANYONE TILL YOU
MONK'S POINT
I SHOULD CARE
ASK ME NOW
TESE FOOLISH THINGS

 ジャズはクラシックやミュージカル、ポピュラーの曲をネタに演奏する。だから、ジャズを他の音楽から分けるのは、演奏の仕方ってことになる。ジャズ特有の演奏の仕方は何かってことだけれど、ブルーノートとかオフビートとかあったりするし、複雑に絡み合うリズムとかで演奏したりするのがジャズかなー、なんて思ってみたりするが、それじゃこれでジャズ演奏になるかって言うと、やっぱり違う気がする。演奏が感動を与えてくれるには、これだけでは何かが足らない。即興演奏というものだろうか。そんな気もする。即興演奏もコード進行とかの基本枠みたいなのはあるそうだけど、「ジャズマン個々」の演奏ってことになるかなあ。
 即興演奏はジャズマンそれぞれの個性によるわけだから、個性的なジャズマンであればあるほど、すばらしい即興演奏ができるってことになる。ただ、むずかしいのは、個性的なジャズマンたちがうまくおりあいをつけて、バンドを組めるかってこと。
 うってつけの話となるのが、セロニアス・モンクだ。彼とマイルス・ディビィスの逸話は有名だし、モンクの最も優れた演奏はソロピアノだけだってする人がいるくらいだ。
 モンクは通が好むジャズマンだ。まったく不可解な演奏をする。バップの成立に影響を与えたり、とにかくすごいらしい。それでいて、本流になったことはない。
 モンクが作曲した「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」は現在ジャズの枠を越えた有名曲になっている。他にもいい曲を書いてるそうだ。こんなところからも、ジャズって演奏が鍵らしいってことが分かる。


タグ:ジャズ